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更新日:2024年4月1日

令和2年度施政方針

はじめに

令和2年の第1回宇検村議会定例会の開会にあたり、村政運営に関する私の基本姿勢と所信の一端を申し上げ、村議会並びに村民の皆様に、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに、昨年1月の村長就任から1年が過ぎましたが、所管の業務を通して村民の声に耳を傾け、職員、議員の皆さんの協力を得ながら村政運営にあたることができました事に心から感謝申し上げます。同時に村長としての重責を感じているところであります。
選挙期間中に掲げた公約につきましては、関係者と協議を進めながら早期実現に向けて取り組んでいるところであります。

村の財政はまだまだ厳しい状況でありますが、2020年度の国の税収は過去最高となる見込みで2年連続の100兆円を超える国家予算となるなど、地方交付税が大きく落ち込むことはないと予想されますので、村も例年規模の予算を確保し、村民誰もが住んで良かったと言える笑顔あふれる宇検村を目指して誠心誠意村政運営に取り組んでまいります。

本村の令和2年度一般会計当初予算においては、これまでの継続事業を始め、新規事業、会計年度任用制度による人件費等も計上していることから前年度より1億円余り増え30億円台の予算規模となっております。

これまでと同様、財政健全化を進めていくことは当然のことですが、住民に必要な予算は積極的に活用するとともに、重要な自主財源である村税、使用料、手数料等については、徴収率の向上を図り自主財源の確保に努めてまいります。ふるさと納税についても寄付者の思いが実現できるよう郷友会など新たな宇検村ファンの取り込みに力を入れてまいります。

行財政改革の推進について

行政改革については、会計年度任用職員の導入等により、今後、人件費が増加する可能性があることから、職員の資質向上を図り、会計年度任用職員や民間への委託を有効に活用しながら、計画的かつ徹底した定員管理に取り組んで参ります。

庁内の組織の再編については、これまで課の統廃合を進めてきましたが、時代のニーズに対応するため、現在の総務企画課を今回、新たに総務課と企画観光課を設置して村内の観光施設等を整備し観光行政の充実を図ってまいります。
財政状況については、平成9年度から平成24年度までに公債費負担適正化計画に沿って、繰上償還や起債の借入を抑制したことから、平成10年度に66億円余りあった起債残高も平成29年度決算で36億円まで改善されていましたが、平成30年度決算から若干の増加傾向にあります。また、基金残高も4億4千万円から平成30年度決算で18億1千万円と改善されており、実質公債費比率も前年度より改善されて10.2%に、将来負担比率が115%からゼロと財政指標も大きく改善されております。

又、令和5年度からの公営企業会計の法的化を前に、改めて独立採算を原則とする特別会計のあり方を再認識し公共施設の使用料減免分を予算上に可視化することで経営の見える化を行い施設の丁寧な運営節減への意識改革を図ってまいります。

しかしながら、補助事業や単独事業を実施する事により、昨年度より本年度は起債の借り入れが増加しています。今後も事業等の増加によって起債残高及び公債費が増加することが予想されます。

今年度の主な事業として、村道の改良事業や港湾改修事業、簡易水道事業の継続事業をはじめ、新規事業として、多利用施設巡回車導入、体験観光多目的交流施設整備事業や消防タンク車購入等があります。今後の建設予定として、共同調理場建設、役場庁舎及び診療所建設等があり、建設に当たっては将来的に財政を圧迫することがないよう見極めながら事業を進めてまいります。

総合戦略については、宇検村まち・ひと・しごと創生総合戦略の第2期が令和2年度からスタートし向こう5年間の地方創生事業の基本計画となります。第1期同様奄美大島DMO事業など広域的な取組みに合わせ、独自の事業も検討してまいります。

農業振興について

令和元年度は、度重なる台風などの気象災害により全国各地で人家や農作物にも甚大な被害が発生いたしました。奄美大島においては台風などの気象災害も少なく農作物も順調に生育していましたが、例年にないイノシシ・ヒヨドリなどによる鳥獣被害が発生し農家の皆様も対策に苦慮された年であったと思われます。

今年度は、鳥獣被害対策として昨年同様、講習会を開催するとともにイノシシ防護柵の設置や村単独事業により被害防止用資材購入の一部助成を実施する予定であります。また、村猟友会の協力を受け鳥獣被害対策実施隊を編成し、迅速に鳥獣を駆除する体制を整え農家の皆様の生産意欲が低下しないよう努めてまいります。

村の重点振興作物のタンカンについては、農協共同選果場での選果手数料の助成を行い、客観的に品質を見極めることにより本村のタンカンの品質向上とブランド化を推進いたします。また不合品(規格外)の有効活用として今年度も引き続きタンカンジュースの試験販売を実施し、来年度以降6次産業化事業等を活用しジュース等の加工機器の導入を進めたいと考えております。

年々、生産意欲が高まっているパッションフルーツについては、今年度も生産者への苗木供給と購入の助成を行い安定生産に向けた取組みを推進し、合わせて育苗ハウスにおいて季節ごとの野菜苗なども、販売を視野に入れた試験栽培を実施する予定にしております。

サトウキビについても、栽培面積の拡大と単収向上を図るため生産奨励金・ハーベスター使用料の補助を引き続き実施しながら農家の労力軽減のため植え付けから収穫まで省力化できるよう補助事業等を活用しキビ植え付け機の導入を行いたいと考えております。また、新たな村奨励品目創出のため、試験栽培ハウスを整備し、意欲のある営農組織等に委託し栽培管理を行ってもらう計画であります。

「鹿児島の農林水産物認証・K-GAP」を取得したマンゴー、トマト、養鶏については、今年度以降も継続して認証できるよう関係機関と協力し営農指導や講習会を行ってまいります。

畜産振興につきましては、巡回指導や研修会を実施し、飼養管理技術や受胎率の向上、自給粗飼料確保を促進しながら大規模経営体の防疫体制の徹底を図り子牛・養鶏の品質や生産向上に取り組んでまいります。

農地の有効活用を図るため、「農地中間管理事業」による農地の流動化を農業委員や農家の協力のもと推進しながら「多面的機能支払い交付金」などを活用し、村内各集落の環境保全を進めてまいります。また、農地の地力向上と生産安定のため、新たに建設した元気の出る公社堆肥舎を有効活用し、堆肥の生産・供給体制の強化と農家の土づくりの意識向上に引き続き取り組んでまいります。

林業振興について

林業振興につきましては、緑化の推進や森林資源の付加価値を高め、森林の多面的機能が発揮できるように森林整備と循環型林業の推進を図ってまいります。また森林環境譲与税の有効活用に向けて関係各課と協議しながら、森林環境保全などに努めてまいります。

水産振興について

本村の重要な雇用創出の場でとしてクロマグロ、クルマエビ、真珠等の海面養殖を焼内湾内で行っています。今後も、各事業者・村漁協など関係機関と連携し、漁場の環境整備・漁業従事者の確保・定着に努めてまいります。また離島漁業再生支援事業、浜の活力・再生プランなどの事業を活用し村漁協と協力し、漁家の皆様の所得向上に努めてまいります。

商工業の振興について

地元商店につきましては、村商工会主導のもと経営指導や地元優先の買物を推奨し、経営の合理化などの指導、助言を実施してまいります。村内での購買促進のため実施している「やけうちどんと券」についても、販売期間や券の購入限度額などを検討し今年度も継続し販売いたします。

農林水産物直売所「うけん市場」においても年々、利用客・売上額も増加し島内での認知度も上がってきております。今後も年間を通じ地場産農林水産物や加工品の販売ができるようイベントの開催による誘客や委託販売者への生産奨励を実施し、経営の安定化に努めてまいります。また輸送コスト支援については、県本土との流通条件不利性を改善し、生産振興や産業振興の推進を図るため奄振交付金を活用し農林水産物や加工品(黒糖焼酎等)の輸送費補助を継続して実施してまいります。

地籍調査について

地積調査については、調査を推進することにより、公共事業や災害復旧などが迅速に行うことができるため、今年度は生勝・芦検地区にて継続して調査を進めてまいります。

観光の振興について

観光の振興につきましては、世界自然遺産登録を見据え、本村の魅力を最大限引き出せる観光施設を整備できるよう努めてまいります。

世界自然遺産候補地の中心地域である湯湾岳公園の展望台・遊歩道・駐車場などの整備を継続的に実施します。

今年度は、うけん市場周辺に整備予定の体験観光多目的交流施設の建設事業を行う予定であります。また奄美本島西回りルートの利便性向上・活性化のため、焼内湾内沿いに公園整備やトイレ整備などの補助申請を県、国に要望してまいります。アランガチの滝の環境整備についても引き続き要望を行っていく所存です。あわせて村観光物産協会・特産品協会・ガイド協会や宿泊業者と連携し観光客の受け入れ、特産品開発や観光メニューの充実に努めてまいります。

地方創生やふるさと納税など都市部と地方の交流を後押しする国の施策がある中、地方からも積極的に都市部と交流し地域活性化を図る施策が必要であります。そこで関東関西などの郷友会と宇検村民が積極的に交流することを支援するため村民交流助成金を支給し交流・関係人口の拡大に努め郷友会と村の活性化を図ってまいります。

交通通信網の整備について

交通体系の整備ついては、村民が日常生活で多く利用する公共施設や商店などへの移動の利便性を図るため、村内交通機関と直結して運行する多利用施設巡回車(グリーンスローモビリティー車両)を導入し、高齢者の積極的な外出と観光客利用も勧め新たな産業発展を図って参ります。

交通通信網の整備について、道路は、村の産業・経済・観光に密接に結びついていることから、道路のインフラ整備は重要な施策として考えています。本村の地理的条件を踏まえながら、事業の重点化やコスト縮減を図りつつ、地域の実情に即した整備に努めてまいります。

まず、県管理の道路整備については、利便性の向上及び災害に強い道づくりを目指し、県道曽津高崎線の平田工区の改良事業を継続していきます。主要地方道湯湾新村線の赤土山工区については、現在、急カーブ区間の道路改良を行い、中止が決定しております。これまでも、崩土により交通規制があり、災害時の移動や救急搬送に大きな支障をきたしてきました。奄美大島南部地域の活性化と地域住民の安全を図る面からも、新たなルートの検討も含めた早期の調査並びに計画策定に取り組んでもらうよう県及び国に要望をしていきたいと考えています。

村道関係については、宇検船越線、屋鈍曽津高崎線の改良工事を進めてまいります。防災安全社会資本整備交付金事業で橋梁の補修工事、赤土山線を舗装補修工事で整備していきます。村単道路整備については、田検集落内、須古集落内の路線の舗装補修工事を実施いたします。

道路維持管理について、県道は、県からの権限委譲交付金に於いて、適正な維持管理をしています。また、村道、林道、農道については、委託業務契約、会計年度任用職員で除草作業や側溝の土砂上げ作業を実施していく考えです。
港湾の整備については、湯湾港(須古地区)の岸壁の補修工事を実施してまいります。名柄港については、約40年以上が経過し、大部分が老朽化している状況であるため、測量・設計費を計上して、事業の採択に向けての準備を進めてまいります。

漁港事業については、芦検漁港施設の機能診断調査を行った結果、補修が必要な箇所が多く効率的な維持管理、既存施設の長寿命化及び今後のコスト縮減を図るため、施設の整備をしていきます。

急傾斜地の整備については、県営事業で、急傾斜地崩壊対策事業において名柄地区、湯湾地区を継続事業で整備します。また、県単急傾斜地崩壊対策事業で、芦検池城地区を継続事業で整備します。

保健福祉について

保健福祉につきましては、皆さんもご承知のとおり、本村における人口も減少しております。又人口に占める高齢者の比率が国及び県をはじめ郡内の他町村に比べても高い状況にあります。

本村の現状は、令和元年12月末現在で世帯数が960世帯、人口が男性834人、女性869人の合計1,703人と減少傾向にあり、また、高齢化率も65歳以上が43.0%で75歳以上が22.6%となっています。要介護認定率についても17%となっています。

令和元年度より新規事業として、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制整備事業に取り組んでおります。地域共生社会とは、子ども・高齢者・障がい者などすべての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り高め合うことができる社会とされており、この理念に基づいた事業展開に努めます。
行政内の課を超えた地域課題の共有や、村社会福祉協議会を中心とした地域福祉の推進、村内・村外の相談・支援専門機関との連携による「断らない相談支援」体制づくり、住民の地域活動の可視化を通じ、住民や地域の困りごとを捉え、解決につなげる包括的な支援体制を築いて参ります。

介護の世界では団塊の世代の約800万人が75歳を迎える年が2025年問題と言われています。
現在、1500万人程度の後期高齢者人口は、その頃には約2200万人まで膨れ上がり、日本は全人口の4人に1人が後期高齢者という超高齢者社会となります。村の現状としては、一人暮らしや認知症等で高齢者・障害者を取り巻く環境は年々厳しくなっている状況であります。

令和2年度も保健・福祉・医療の充実と生きがい対策等の施策を重点とする高齢者保健福祉計画、平成30年度から令和2年度を期間とする第7期介護保険事業計画に基づき「住民の自分らしい生き方を、支える村づくり」を基本理念として、厳しい財政状況下ではありますが、創意工夫・努力を行いながら、事業に取り組んで参りたいと思います。

又、平成14年度から実施している、高齢者生きがい対策事業としての宇検村合同金婚式はこれまでの18年間で162組が金婚式を迎えられました。今後も結婚50年を記念とした合同金婚式を継続して実施して参ります。

次に宇検村診療所についてですが、令和2年度も引き続き、週5日診療で、医師1人、看護師2人、医療事務2人等を常勤として配属して新しい体制で診療業務にあたります。医師の常駐により村民が安心して暮らせる診療体制を築いてまいります。

また、郡医師会・鹿児島県立大島病院及び隣接市町村の医療施設との連携を重視し、また現在瀬戸内町と共に参加している地域医療連携推進法人アンマにおいて、奄美大島南部町村の医療体制の向上を図るため、情報の一元化・人材育成・医療機器の共同利用等を今後も取り組んでまいります。

介護保険事業につきましては、介護保険制度の理念に基づき、自立支援と重症化防止を念頭においた事業を展開します。
令和2年度も地域支援事業では、住民主体の介護予防活動であるいきいきどぅくさ体操や、サポート運営型の頭の体操教室等の支援を行い、住民自らが介護予防、支え合いに取り組む地域づくりに努めます。

その他、地域ケア会議を核とし村内関係機関の関係職種との連携を図り、地域包括ケアシステムの深化・推進を図ります。

保健事業につきましては、特定健診・特定保健指導は(40歳~74歳を対象)とし、長寿検診は(75歳以上を対象)としています。それぞれの各種がん検診を実施し、安心で健康的な生活の定着を目指します。本村は脳卒中による死亡率が高いため、平成29年3月策定の宇検村健康増進計画「いきいき健康うけん21」に則し、予防に関する施策として、生活習慣病の予防、重症化予防を目指し、村民が参加しやすい保健事業を企画・実施してまいります。

障害者支援につきましては、全ての人がお互いの人格と個性を尊重しあいながら、誰もが同じように暮らせる社会を目指します。
基本理念として住民の自分らしい生き方を支える村づくりを掲げ、障害者が自らの能力を最大限に発揮し自己実現できるよう、平成30年3月に策定した、第5期障害者計画及び障害者福祉計画に則した、きめ細かな相談・支援・情報提供を図っていきます。

母子保健事業につきましては、妊婦検診や乳幼児検診の各種検診・保健指導等の充実を図り、安心して出産や子育てが出来るよう努めます。
又、現在子育て世代包括支援センターを、保健福祉課内に設置し、専門職による切れ目のない支援体制を構築しています。
本年度は関係機関との連携強化に努め、子育て支援の更なる充実を図ってまいります。
児童福祉につきましては、子ども・子育て支援事業計画に基づき、質の高い乳幼児期の総合的な保育の提供、保育の量的拡大、地域における子育て支援の充実等を図るため、子ども・子育て会議にて保護者のニーズを聞き、県からの指導・助言を受けながら、児童の健全育成を基本理念として安心して子育てのできる環境づくりに努めてまいります。
また、令和3年度から実施予定の放課後児童クラブについては、令和2年度に実施にむけての、予算を計上していますので、関係団体と協議をしながら進めてまいります。
本年度も子育て支援の一環として、出産祝い金や入学祝い金等も継続して実施してまいります。

生活環境及び自然環境の保全について

ゴミの不法投棄対策については、村内の林道や主要道路沿いの山裾など不法投棄発生箇所を中心に年間を通じてパトロールを行うとともに、不法投棄が発生した地域については、注意喚起の看板の設置及びチラシを配布し、生活環境の保全に努めてまいります。

地球温暖化防止対策については、「宇検村地球温暖化防止実行計画」に基づき、公共施設等の省エネ対策を全庁的に進め、温室効果ガスの排出抑制を積極的に推進してまいります。
自然保護、環境保全については今後も継続してマングローブ林の再生、リュウキュウアユの保全活動、サンゴ礁保全や外来種などの駆除活動を行ってまいります。

海岸漂着物対策事業については、現在、台風や偏西風、潮の流れ等の影響により、年間を通して焼内湾で海岸漂着ゴミが発生している状況であるため、引き続き国の補助事業を活用し、村内の海岸に漂着しているゴミの回収及び処理を行い、海岸の環境保全に努めてまいります。また、小中学生及び地域住民を対象とした環境教育を実施し、海岸漂着物問題に係る普及啓発の推進を図ってまいります。

野良猫TNR事業について、奄美大島には、アマミノクロウサギをはじめ、多くの希少動植物が生息しています。森林内ではノネコに依る希少動物の捕殺が確認されています。また、集落に生息する野良猫もノネコの発生源となり、希少動物を脅かす存在となっています。
そこで希少動物を守るために、昨年に引き続き野良猫TNR事業を実施し野良猫の減少を目的とした事業を推進してまいります。
飼い猫については、動物愛護の意識の向上、また地域生活環境の向上並びに自然環境及び生態系の保全を図ることを目的とした、不妊手術やマイクロチップ装置の助成を今後も継続し、村内のノネコ・野良猫の発生源対策に努めてまいります。

合併浄化槽設置の推進については、生活排水に依る公共水域の水質汚染を防止するため、引き続き、国・県の補助事業も活用して、し尿と雑排水を合わせて処理する合併浄化槽の設置促進に取り組んでまいります。

簡易水道事業については、集落内の配水管を順次更新してきていますが、今年度は、湯湾集落内の配水管の更新を行う予定です。今後も、安全で安心な生活用水を供給するために、適切に対応してまいります。

住宅整備については、既存の公営住宅においては、建物の老朽化を防ぐと共に予防保全の観点から、今年度は、「公営住宅ストック総合改善事業」により、芦検団地3号棟の改修工事を実施します。

農業集落排水事業については、平成29年度から機能強化更新事業で順次整備していますが、今年度は、宇検中央処理場の機械整備の機器交換、電気設備の工事を実施します。

漁業集落排水施設については、機器類の老朽化による故障頻度が年々増加している状況であります。しかしながら、漁港事業で整備した施設に対しての更新補助事業が無く、維持管理費に係る費用が今後も増えていく事が予想されます。加入率向上も図っていかなければならないのですが、一般会計からの繰入金も多いため、今後、施設をどのようにしていくのか、新たに合併浄化槽を整備していくのかも視野に考えていきたいと思います。

人権教育及び人権啓発について

人権啓発活動の推進については、各関係機関・団体等と連携を図りながら、人権問題についての理解認識を深め、差別意識を解消し、人権の尊重されるむらづくりに努め、特設人権相談所開設等、継続した人権啓発活動に取り組んでまいります。

消防・防災について

村民が安心して暮らせる村づくりは、最も重要な施策の基本とするものであります。
災害の頻度で言うと台風など大雨による崖崩れで通行止めになることが最も多いと考えられますので、防災備品、災害食料の備蓄や迂回路の確保、海上輸送の早期対応に努めてまいります。
避難所となる公民館についても、老朽化の激しい公民館から整備を進めてまいります。

令和元年度で村のハザードマップが完成しますので、災害時避難する際の自助共助の指針となるよう村内全戸に配布して災害時の危険地域の周知を図ってまいります。
有事の際の宇検分駐所職員の力はもとより、消防団の力も必要不可欠です。消防設備を切れ間なく配備するため消防タンク車を新規に購入、また各分団車両間の連携強化のため移動系無線を配備し有事への備えを強化してまいります。
職員、団員の資質向上のため積極的な研修受講も引き続き進めてまいります。
今後も村民の防災意識の向上を図り、自助、共助、公助のそれぞれの役割と連携をとりながら村民が安全で安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。

教育行政について

人工知能(AI)や情報技術の飛躍的な進化,少子高齢化,国際化などによって急速に変化する社会情勢に伴う教育の将来展望や喫緊の教育問題に適切に対応するため,村民憲章や村教育振興基本計画を踏まえ,「ふるさとを愛し,未来(あす)へはばたく心豊かでたくましい人づくり」を宇検村教育行政推進の基本目標とします。そして,その推進にあたっては,「ふるさとの豊かな風土や教育的な伝統を生かし,ふるさとに立つ教育」を視点として取り組んでまいります。これは,本村の自然や文化,歴史,伝統,人材などを教育施策の中に取り組むことが,ふるさとへの思いや誇りをもつことにつながり,村民の自立や村の豊かさの基盤になるものと考えるためです。

第1に,学校教育においては,「生きる力を備えた元気な宇検村の子どもの育成」を目標に,以下の3点に取り組みます。

1点目は,「お互いの人格を尊重し豊かな心と健やかな体を育む教育」を推進します。
そのために,児童生徒の心に寄り添った道徳教育や生徒指導,人権教育,読書活動などを推進するとともに,引き続き村教育相談員を配置します。併せて,令和元年度に引続き,県の事業を活用してスクールソーシャルワーカーを委嘱し,児童生徒及び保護者の様々な相談に対して関係機関の連携を図りつつ対応します。
また,平成28年3月に刊行した「語り継ぎたい言の葉」「やけうち(えーち)の教訓(ゆすぃぐとう)100」の冊子を道徳教育等に活用し,豊かな心の育成に努めます。
さらに,平成28年度から実施している学校給食費の無料化や部活動の対外競技会出場等への助成については引き続き行ってまいります。

2点目は,「未来を切り拓くための能力を伸ばし,社会で自立する力を育む教育」を推進します。
本村の児童生徒の学力は,概ね,知識・技能に関しては定着の状況にありますが,思考力,判断力,表現力等に関しては一層の改善に努める必要があります。また,児童生徒の個人差が大きいことも課題です。
そのため,更なるICT機器の整備によりテレビ会議システムを生かした交流授業を推進するとともに,校内研修会の指導助言を通して教科等指導などの教職員研修の充実を図ります。その上で,特別支援教育支援員の配置によるきめ細かな支援,ALTの活用による外国語教育の充実,合同宿泊学習や集合学習などの実施,「あまみの世界自然遺産登録」に関連する郷土教育の充実などに取り組みます。

3点目は,「信頼され,地域とともにある学校づくり」を推進します。
校区の文化センター的な役割をもつ学校における教育は,児童生徒,教師,保護者などの信頼関係の上に成り立っています。そこで,地域に根ざした学校経営の充実を図るため,土曜授業などにおいて地域の特色を生かした教育活動の継続・実践を進めるとともに,外部評価を生かした学校経営の改善を図ります。
また,服務指導や教職員研修の充実により,教育公務員としての資質や実践的な指導力を備えた教職員の育成に努めます。その上で,学校における教員の働き方改革を推進するとともに,教育環境の整備・充実に努めてまいります。
さらに,各学校の給食施設の老朽化に対応するため,平成30年度に立ち上げた「学校給食のあり方検討委員会」の議論を一層深め,田検小中学校の共同調理場の改築計画及び小中併設校の給食運営のあり方について,検討を重ねているところです。それに基づき,基本設計費を予算計上し,進めていく予定にしています。
なお,児童生徒減少対策については,阿室校区・名柄校区において,これまでと同様の助成を行い,学校存続に向けて取り組んでいきます。

第2に,社会教育においては,「結いの心で生き生きと学ぶ活力ある宇検村民の育成」を目標に,以下の2点に取り組みます。

1点目は,「地域全体で子どもを守り育てる環境づくり」を推進します。
本村において,子どもたちは地域社会の宝として,周りから温かく見守られ,すくすくと成長しております。今後とも家庭教育やPTA活動の充実,地域行事への積極的参加を進めるとともに,子育ての気運醸成や支援に努めてまいります。
また,青少年の健全育成については,中学3年テーブルマナー教室や新春書き初め会等を継続して実施します。なお,平成27年度から始まった月1回程度の「やけうちっ子体験チャレンジスクール」は,本年度は実施できませんでしたが,再開する予定です。

2点目は,「生涯を通して学び,活躍できる環境づくりとスポーツ・文化の振興」を推進します。
はじめに,「スポーツの活性化」においては,生涯スポーツを通した健康づくりと仲間づくりを推進するため,村体育協会を中心とした推進体制の整備・充実を図ります。そして,各種スポーツ大会の工夫・改善に努めるとともに,毎週月曜日夜の体育館無料開放の継続や,村スポーツ指導者・母集団研修会の開催などを実施します。また,社会体育施設の効果的な活用に努めるとともに,定期点検を確実に実施し,事故防止に万全を期してまいります。
なお,令和2年度の大島地区大会宇検村会場では,女子バレーボール競技が開催されます。その際は,関係団体と連携を図りながら安全かつ効果的な運営に努めます。併せて,引き続き,高校生や大学生等のスポーツ合宿の誘致についても,積極的に推進してまいります。

次に,「地域文化及び芸術活動の振興」においては,令和2年度夏に世界自然遺産に登録される見込みから,集落の文化遺産や食文化の保存と活用,島唄・三味線の継承活動,ケンムンなどの伝承文化の保存と活用,伝統芸能保存グループ育成に努めます。その上で,来訪者へ積極的に宇検村の文化を紹介し,自然・歴史・文化の総合的な体験活動を推進するとともに,歴民俗資料展示室の充実を図ります。
村誌編纂につきましては,自然編・通史編を平成29年11月の村制施行100周年記念式典に併せて発刊することができました。令和2年度以降に民俗編の発刊を目指して取り組んでまいります。

むすびに

以上、令和2年度の村政運営に対する所信と施策について概要を申し述べましたが、課題山積する中での村政運営は大変厳しい状況であると認識しております。
財政の乏しい本村にとりましては、国、県からの依存財源が主で、厳しい財政の中ではありますが、村民のサービスを低下させないことを念頭に、事業の必要性や優先順位を検討しながら慎重に予算編成に努めたところです。

本年度の予算は、一般会計予算が30億7千8百61万4千円で前年対比で4%の増額予算となっております。
次に特別会計予算は、7会計で10億1千4百99万8千円で前年度対比で8%の減額予算となっております。
特別会計については、独立採算制のもと運営を行っていかなければならない所ですが、以前として一般会計からの繰り入れで運営を行っているのが現状であります。

村政運営については、以前として厳しい状況の中ではありますが、これからも村に住み続けたい、行ってみたいと言われる宇検村を目指し、誠心誠意、村政運営に取り組んで参る所存でありますので、議会議員並びに村民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げまして、令和2年度の施政方針とさせていただきます。

令和2年3月6日
宇検村長元山公知

お問い合わせ

総務課行政係

894-3392 鹿児島県大島郡宇検村湯湾915

電話番号:0997-67-2211

ファックス:0997-67-2912

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