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更新日:2024年4月1日

令和3年度施政方針

はじめに

令和3年の第1回宇検村議会定例会の開会にあたり,村政運営に関する私の基本姿勢と所信の一端を申し上げ,議会議員並びに村民の皆様に,ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに,新型コロナウイルス感染症拡大により,全世界が脅威に陥り,ワクチン接種が始まったといえども,コロナ禍の収束と経済回復は,まだ先の見えない状況が続いています。

このような中,最近では奄美群島での発生もなく,落ち着き傾向にあるのは,お互いが「自分の命を守る」「大切な人の命を守る」という日頃からの自助,共助の賜物だとあらためて感じています。

今後とも,感染予防を徹底しながら安心できる日々の生活を守っていきましょう。

さて,私一昨年1月の村長就任から2年が過ぎましたが,所管の業務を通して職員と共に村民の声に耳を傾け,議員
並びに村民の皆様の協力を得ながら,村政運営にあたることができました事に,心から感謝申し上げます。
同時に村長としての重責を感じ,村政発展へ全力で邁進することを改めてお誓い申し上げます。
選挙期間中に掲げた公約につきましては,関係者と協議を進めながら早期実現に向けて取り組んでいるところであります。

村の財政はまだまだ厳しい状況でありますが,2021年度の国の予算は過去最高となる見込みで3年連続の100兆円を超える国家予算となるなど,地方交付税が大きく落ち込むことはないと予想されますので,村も例年規模の予算を確保し,村民誰もが住んで良かったと言える笑顔あふれる宇検村を目指して,誠心誠意村政運営に取り組んでまいります。
本村の令和3年度一般会計当初予算においては,これまでの継続事業を始め,新規事業を含めて,約31億円台の増額予算となっております。
これまでと同様,財政健全化を進めていくことは当然のことですが,住民に必要な予算は積極的に活用するとともに,重要な自主財源である村税,使用料,手数料等については,徴収率の向上を図り,自主財源の確保に努めてまいります。
ふるさと納税についても,寄付者の思いが実現できるよう,郷友会など新たな宇検村ファンの取り込みに力を入れてまいります。

行財政改革の推進について

行政改革については,第一に村民の声を政策に反映させ,迅速に執行することが大切であり,そのためには,住民の声をしっかり関係部署に繋いでいく,その上で職務上大切なことはしっかり伝えることができるよう,職員としての資質向上を図るため,これまで以上に職員研修に力を入れてまいります。行事や会合等が思うように開催できない状況でありますが,できる限りの努力と対策を図り,村民とのコミュニケーション向上に努めてまいります。

財政運営については,事業の優先順位をしっかり検討し,各分野で連携を図り計画的に執行するよう努めてまいります。起債の残高は37億円で,平成30年度決算から若干の増加傾向にありますが,自治体の財政状況を示す指標の実質公債費比率は,10.2%から9.9%と前年度より改善されており,将来負担比率も平成30年度決算から,3年連続ゼロと改善されています。
基金残高も増加しており,今後も有利な措置の起債に努めながら事業執行にあたってまいります。

又,令和5年度からの公営企業会計の法適化を前に,改めて独立採算を原則とする,特別会計のあり方を再認識し公共施設の使用料減免分を予算上に可視化することで,経営の「見える化」を行い,施設運営に最大限の配慮をした節減の意識改革を図ってまいります。
今年度の主な事業として,村道の改良事業や港湾改修事業,簡易水道事業の継続事業をはじめ,新規事業として,県単農業農村整備事業により干拓,広下,下田地区の農道舗装工事を行います。

また,新規取り組みとして,村外に居住している学生に特産品を送付し,学生生活の糧となるよう応援する「宇検村ふるさと学生応援便」事業をスタートさせます。学生と宇検村の絆を深め,村の良さを再認識してもらうとともに,社会に巣立った後も繋がる仕組みづくりを行います。

今後の建設予定として,診療所建設,共同調理場建設,及び役場庁舎建設等があり,建設に当たっては将来的に財政を圧迫することがないよう,見極めながら事業を進めてまいります。

農業振興について

近年イノシシによる農作物への被害が多くみられる中,その侵入が広範囲な箇所においては,鳥獣被害対策実践事業を活用し防止柵を計画的に整備してまいります。また,昨年度より実施しております,被害防止用資材購入の一部助成を新年度以降も継続し,鳥獣被害対策実施隊による調査・捕獲・追い払い活動も継続してまいります。
カラス被害については,現在1基設置している捕獲小屋と,新たに移動式の捕獲機を導入するとともに,一般農家への講習会を実施し,農家の皆さんの生産意欲が低下しないように,被害防止に努めてまいります。

村の重点振興作物のタンカンについては,昨年度より実施しております,宇検ブランド確立事業にて協力していただける農家に対して,農協共同選果場での選果手数料等の助成,出荷用デザイン段ボール箱の提供及びブランド協力金の助成を行い,本村タンカンの品質向上とブランド化を推進してまいります。
また不合品(規格外品)の有効活用として,今年度も引き続きタンカンジュースの試験販売を実施し,6次産業化事業等を活用し,ジュース等の加工機器の導入を進めたいと考えております。

パッションフルーツについても,生産者への苗木供給と購入の助成を行い,安定生産に向けた取組みを推進し,合わせて育苗ハウスにおいて,季節ごとの野菜苗などの栽培・販売を行い,村民及び高齢者の生きがいづくりに取り組んでまいります。

サトウキビ振興については,機械の導入による植え付けから収穫までを省力化し,農家の労力軽減を図り生産奨励金等の助成を引き続き行ってまいります。

また,現在「鹿児島の農林水産物認証・K-GAP」をマンゴー,トマト,養鶏は取得しており,今年度よりタンカンの取得準備を進め,今後も継続して認証できるよう,関係機関と協力し営農指導や講習会を行ってまいります。

畜産振興につきましては,巡回指導や研修会を通して,飼養管理技術や受胎率の向上,防疫体制を徹底し子牛・養鶏の品質や生産向上及び労働軽減を図り,安全で安心した経営ができるよう指導徹底してまいります。

農地の有効活用を図るため,農業委員や農地利用最適化推進委員,並びに宇検村元気の出る公社職員による農地の最適化を図るほか,農地中間管理機構へ農地の情報提供を継続して行い耕作放棄地の解消・有効活用に努めるとともに,「多面的機能支払い交付金」を活用し,村内各集落の環境保全を進めてまいります。また,農地の地力向上と生産安定,農家の土づくりの意識向上に引き続き取り組んでまいります。

林業振興について

林業振興につきましては,世界自然遺産登録に向け緑化の推進や自然環境に配慮した伐採・森林整備を行い,森林環境保全並びに森林資源の管理に努めてまいります。

水産振興について

焼内湾で行っている養殖業は重要な雇用創出の場となっています。今後も,各事業者・村漁協など関係機関と連携し,漁場の環境整備・漁業従事者の確保・定着に努め安定的な経営ができるよう協力してまいります。
また,本年度も離島漁業再生支援事業の活用及び,浜の活力再生プランに基づいた取り組みの見直しや改善を図り,漁家の皆様の所得向上に努めてまいります。

商工業の振興について

商工業につきましては,現在,村内商店の経営者の高齢化や後継者不足により厳しい状況にあると思われます。
今後も村商工会主導のもと村内での購買促進を促すための経営指導や地元優先の買物を推奨し,経営の合理化などの指導,助言を実施してまいります。
また,例年実施している「やけうちどんと券」についても,販売期間や購入限度額などを検討し,今年度も継続していく予定であります。
また,農林水産物輸送コスト支援事業については、県本土との流通条件不利性を改善し,生産・産業振興の推進を図るため,奄振交付金を活用し農林水産物や加工品(黒糖焼酎等)の輸送費補助を継続して実施してまいります。

地籍調査について

地籍調査については,今年度芦検地区にて継続して調査を進めます。調査を推進することにより,個人の財産管理・公共事業の推進や,災害時の早期復旧に役立ててまいります。

観光の振興について

令和3年度は,令和元年度から計画を進めてきた,観光拠点施設が完成する予定です。
情報発信や観光案内の窓口のみならず,地場産農林水産物や加工品を販売する「うけん市場」の機能も取り入れ,村民を中心とした地域経済の活性化に努めてまいります。また,この施設を中心に,役場や診療所など,村民が日常生活で多く利用する施設などを巡回する,グリーンスローモビリティを導入し運行することにより,移動の利便性と,賑わいの創出及び交流拡大を図るとともに,グリーンスローモビリティの車両特性を活かした,環境に配慮した持続可能な観光プログラムの確立を目指してまいります。
世界自然遺産登録が実現することにより,世界的に注目を集め知名度が上がり,観光客が増えることが期待されます。
一方多種多様な観光客の増加による,自然環境や村民の暮らしへの負担が懸念されますが,自然,人,伝統文化を活用しながら,宇検村の価値を共有できるように努め,宇検村ファンや出身者を巻き込みながら関係人口の拡大を目指してまいります。併せて,観光関連業者と連携し,特産品や観光メニューの開発に努め,村内外へ向けた宣伝媒体としてのSNSの活用を充実させ,ふるさと納税に繋げる体制を整えてまいります。
また,瀬戸内町西古見から屋鈍間の道路を,舗装整備いたします。奄美大島南西部の観光名所をつなぐルートを確立し,南部大島の観光発展を目指してまいります。

交通通信基盤の整備について

交通通信網の整備について,道路は,村の産業・経済・観光・防災と多面的な分野に直結し,住民生活に大きな利益をもたらしていることから,道路インフラ整備は重要な施策として考えております。本村の地理的条件を踏まえながら,事業の重点化やコスト縮減を図りつつ,地域の実情に即した整備に努めてまいります。

まず,県管理の道路整備については,利便性の向上及び災害に強い道づくりを目指し,県道曽津高崎線の平田工区の改良事業を継続していきます。
主要地方道湯湾新村線は、これまでも崩土による交通規制があり,災害時の移動や救急搬送に大きな支障をきたしております。奄美大島南部地域の活性化と地域住民の安全を図る面からも,新たなルートの検討も含めた早期の調査並びに計画策定に取り組んでもらうよう,県及び国に要望してまいります。

村道の整備についてですが,社会資本整備総合交付金事業で,宇検船越線,屋鈍曽津高崎線の改良工事を,継続事業で整備してまいります。
防災安全社会資本整備事業で,赤土山線の舗装補修工事を継続して整備してまいります。
新規路線として,田検名音線,部連須古線を整備してまいります。
また,道路メンテナンス事業で4橋の設計業務を予定しております。
村単道路整備については,湯湾大棚線の排水路及び舗装補修工事,新小勝大畑線の排水対策,湯湾集落内の冠水対策工事を実施してまいります。

道路維持管理について,県道は,維持補修事業で道路の除草,路傍樹管理事業で植栽物の管理を権限委譲交付金に於いて,対応してまいります。
また,村道,林道,農道については,委託業務契約と会計年度任用職員で除草作業や側溝の土砂上げ作業を実施してまいります。

港湾の整備については,湯湾港(須古地区)の岸壁の補修工事を継続して実施いたします。名柄港については,海岸堤防等老朽化対策事業で既設護岸の補修工事を進めてまいります。

漁港事業については,芦検漁港本港区施設の長寿命化及び今後のコスト縮減を図るため,外郭施設,係留施設,用地施設の整備をしてまいります。

急傾斜地の整備については,県営事業で,急傾斜地崩壊対策工事において湯湾5地区を継続事業で整備してまいります。また,新規地区として,下朝戸地区,芦検池城地区の整備に着手いたします。
また,村事業の県単急傾斜地崩壊対策事業で、芦検池城地区を継続事業で整備し,今年度で完了する予定であります。

保健福祉について

保健福祉につきましては,皆さんもご承知のとおり,本村における人口も減少しております。
又,人口に占める高齢者の比率が国及び県をはじめ郡内の他町村に比べても高い状況にあります。
本村の現状は,令和2年12月末現在で世帯数が961世帯,人口が男性832人,女性867人の合計1,699人と減少傾向にあり,また,高齢化率も65歳以上が737人,43.38%で75歳以上が382人,22.48%となっています。
要介護認定率についても17.6%となっております。

また,令和2年度は,新型コロナウイルス発生及び感染症対策において保健福祉関連事業等の推進に大きな支障をきたし,住民の皆様には多大なご迷惑をおかけしました。

宇検村では,平成31年度から国の方針に沿い,主要施策として制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」という従来の関係を超えて,人と人,人と社会のつながり,一人一人が生きがいや役割をもち,助け合いながら暮らしていくことのできる,包括的なコミュニティ地域社会を作るため,「地域共生社会の実現に向けた取組」を推進しております。
この取り組みに関連し,令和2年9月からは民間との連携強化を図るため,村の社会福祉協議会と協定を結び,村から職員を派遣して「地域福祉計画・地域福祉活動計画」を共同で策定しております。

また,令和3年度は,先に述べたこれまでの事業を一層推進してことが必要だという観点から,国が示す新たな事業の枠組みである,地域住民の複合・複雑化した支援ニーズに対応する,包括的な支援体制を整備するため1.相談支援2.参加支援3.地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業,重層的支援体制整備事業を推進してまいります。
介護の世界では団塊の世代の約800万人が75歳を迎える年が2025年問題と言われています。
日本は全人口の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会となります。村の現状としては,一人暮らしや認知症等で高齢者・障がい者を取り巻く環境は年々厳しくなっている状況であります。
令和3年度も保健・福祉・医療の充実と生きがい対策等の施策を重点とする,高齢者保健福祉計画,第8期介護保険事業計画に基づき,厳しい財政状況下ではありますが,創意工夫・努力を行いながら,事業に取り組んで参ります。

次に,国民健康保険宇検村立診療所についてですが,令和3年度も引き続き,週5日診療で、医師1人,看護師2人,会計年度任用職員(非常勤・看護師)3人,会計年度任用職員(医療事務)1人を常勤として配属して診療業務にあたります。現在,地域住民からの診療相談が増えており,在宅診療等も増える傾向にあります。医師の常駐により村民が安心して暮らせる診療体制を築いてまいります。
また,令和2年度と同様に,郡医師会・鹿児島県立大島病院及び隣接市町村の医療施設との連携をはかりながら,現在,瀬戸内町と共に参加している地域医療連携推進法人アンマにおいて,奄美大島南部町村の医療体制の向上を図るため,医師の派遣・人材育成・医療機器の共同利用等に今後も取り組んでまいります。
介護保険事業につきましては,介護保険制度の理念に基づき,地域包括支援センターを中心に,自立支援と重症化防止を念頭においた事業を展開いたします。
地域支援事業につきましては,住民主体の介護予防活動であるいきいきどぅくさ体操や,サポート運営型の頭の体操教室等の支援を行い,住民自らが介護予防,支え合いに取り組む地域づくりに努めてまいります。
その他,地域ケア会議を核とし村内関係機関の関係職種との連携を図り,地域包括ケアシステムの深化・推進を図ります。

保健事業につきましては,宇検村健康増進計画「いきいき健康うけん21」・「国保・後期データヘルス計画」に則し,本村の健康課題であります脳卒中対策を推進してまいります。特に今年度は,高齢者において保健事業と介護予防等の一体的実施に向けて各種保健事業の見直し・整理を実施し,準備を進めてまいります。
特定健診・長寿健診・各種がん検診受診率の向上に努め,予防できる病気を予防することで,村民の健康寿命の延伸・QOL(生活の質)の向上を目指してまいります。
予防事業を効果的に実施し,生活習慣病重症化予防・医療費適正化に努め,村民が受診・参加しやすい環境を整えてまいります。
また,引き続き長寿健診の推進向上に努めてまいります。
素晴らしいことに今年度は,村内でお二人の方が100歳を迎えられます。
また,ご縁あってご夫婦となられ50年ともに歩いてきた方々を祝福する,「金婚式」も引き続き実施いたします。
障がい者支援につきましては,全ての人がお互いの人格と個性を尊重しあいながら,誰もが同じように暮らせる社会を目指してまいります。
基本理念として住民の自分らしい生き方を支える村づくりを掲げ,障がい者が自らの能力を最大限に発揮し自己実現できるよう,令和3年3月に策定した,第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画に則した,きめ細かな相談・支援・情報提供を図ってまいります。

母子保健事業につきましては,妊産婦健診や乳幼児健診の各種検診・保健指導等の充実を図り,安心して出産や子育てができるよう子育て世代包括支援センターにおいて,
専門職による切れ目のない支援の充実,強化に努めます。
児童福祉につきましては,令和2年3月に策定した、第2期宇検村子ども・子育て支援事業計画に基づき,質の高い乳幼児期の総合的な保育の提供,保育の量的拡大,地域における子育て支援の充実等を図るため,子ども・子育て会議にて保護者のニーズを聞き,県からの指導・助言を受けながら,児童の健全育成を基本理念として安心して子育てのできる環境づくりに努めてまいります。
また,令和3年度から実施予定の放課後児童クラブについては,関係団体と協議をしながら小学校施設内に設置し実施してまいります。
また,本年度も子育て支援の一環として,出産祝い金や入学祝い金等も継続して実施してまいります。

高校生通学バス助成金につきましては,定住及びUターン者の促進を図るため,村内に住所を有していない等の高校生を準住民として新たに対象者とし,帰省等に係るバス利用料の助成を実施してまいります。

生活環境及び自然環境の保全について

ゴミの不法投棄対策については,村内の林道や主要道路沿いの山裾など,不法投棄発生箇所を中心に年間を通じてパトロールを行うとともに,不法投棄が発生した地域については,注意喚起の看板の設置及びチラシを配布し,生活環境の保全に努めてまいります。

国が脱炭素社会の実現を打ち出す中,宇検村としても脱炭素型地域づくりを模索していく必要があります。令和2年度は環境省の事業を活用し,奄美大島におけるバイオマス資源の調査を実施しており,今後,調査結果をもとに,本格的に地域内資源循環による「脱炭素社会」実現に向け取り組んでまいります。

自然環境については,世界自然遺産候補地として,適切な保護管理を行ってまいります。盗掘防止のパトロールや外来種の駆除活動,リュウキュウアユやサンゴ礁の保全活動を引き続き行い,奄美の特徴的な自然環境の保全・継承に努めてまいります。

海岸漂着物対策事業については,現在,台風や偏西風,潮の流れ等の影響により,年間を通して焼内湾で海岸漂着ゴミが発生している状況であるため,引き続き国の補助事業を活用し,村内の海岸に漂着しているゴミの回収及び処理を行い,海岸の環境保全に努めてまいります。

野良猫TNR事業についてですが,奄美大島には,アマミノクロウサギをはじめ,多くの希少動植物が生息しております。森林内では,ノネコに依る希少動物の捕殺が確認されております。
また,集落に生息する野良猫もノネコの発生源となり,希少動物を脅かす存在となっております。
そこで希少動物を守るために,昨年に引き続き野良猫TNR事業を実施し野良猫の減少を目的とした事業を推進してまいります。
飼い猫については,適正飼養,動物愛護の意識の向上,また,地域生活環境の向上並びに自然環境及び生態系の保全を図ることを目的とした,不妊手術やマイクロチップ装置の助成を今後も継続し,更に今年度は田検校区を重点地区としてマイクロチップ装着会を実施し,村内のノネコ・野良猫の発生源対策に努めてまいります。

合併浄化槽設置の推進については,生活排水に依る公共水域の水質汚染を防止するため,引き続き、国・県の補助事業も活用して,し尿と雑排水を合わせて処理する合併浄化槽の設置促進に取り組んでまいります。

簡易水道事業については,集落内の配水管を順次更新しておりますが,今年度は,湯湾地区内の配水管の更新を行う予定であります。今後も,安全で安心な生活用水を供給するために,適切に対応してまいります。

住宅整備については,今年度から美長良団地1号棟の改修工事を進めてまいります。この住宅は,平成元年度竣工
から約30年が経過しており,経年の劣化による老朽化が著しく本事業を導入することで,建物自体の長寿命化と設備等の更新を行い,快適な居住空間を確保するものであります。
人口減少や高齢化社会の進行,既存の住宅の老朽化等に伴い,宇検村においても空き家の増加が問題になっております。
安全・安心で暮らしやすい地域社会を実現するために,宇検村として実効性のある空き家対策について,総合的かつ計画的に実施していくための基本方針を策定し,住環境の整備を図ってまいります。

集落排水事業については,平成29年度から機能強化更新事業で順次整備していますが,今年度は,宇検中央処理場の処理施設(機械設備工事),管路施設(真空弁更新、真空弁通報装置)中継ポンプ施設(機械設備、蓋更新)の工事を実施してまいります。

人権教育及び人権啓発について

人権啓発活動の推進については,各関係機関・団体等と連携を図りながら,人権問題についての理解認識を深め,差別意識を解消し,人権の尊重されるむらづくりに努め,特設人権相談所開設等,継続した人権啓発活動に取り組んでまいります。

消防・防災について

村民が安心して暮らせる村づくりは,最も重要な施策の基本とするものであります。
昨年の台風10号で多くの教訓を得ましたが,特に避難所体制を整えることが第一と実感いたしました。さっそく,令和2年度から雨戸の設置など防災備品の整備に取り組んでおり,今後もがけ崩れや通行止めによる道路寸断も考えられますので,災害時用食料の備蓄や迂回路の確保,海上輸送の迅速な対応に努めてまいります。
避難所となる公民館についても,老朽化の激しい公民館から整備を進めてまいります。
また,自主防災組織の運営研修を継続して行い,災害時の避難行動を自主的に判断できるよう意識の向上に努めてまいります。
有事の際の宇検分駐所職員の力はもとより,消防団員の力も必要不可欠であります。職員,団員の資質向上のため積極的な研修受講も引き続き進めてまいります。
今後も村民の防災意識の向上を図り,自助,共助,公助のそれぞれの役割を明確化し,関係団体等と密な連携をとりながら,村民が安全で安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。

教育行政について

昨今のグローバル化や情報通信技術(ICT)の進化により,急速に変化する社会情勢に伴う教育の将来展望や喫緊の教育問題に適切に対応するため,令和3年度も村民憲章や村教育振興基本計画を踏まえ,「ふるさとを愛し,未来(あす)へはばたく,心豊かで たくましい人づくり」を宇検村教育行政推進の基本目標といたします。
その推進にあたっては,本村の自然や産業,文化,歴史,伝統,人材など「ふるさとの豊かな風土や教育的な伝統を生かし,ふるさとに立つ教育」を視点として取り組んでまいります。

まず学校教育においては,「生きる力を備えた元気な宇検村の子供の育成」を目標として,次の三点に取り組みます。

一点目は,「お互いの人格を尊重し豊かな心と健やかな体を育む教育の推進」です。
そのために,個々の児童生徒に密着した道徳教育や生徒指導,人権教育,読書活動等を推進するとともに,今年度も村教育相談員・スクールソーシャルワーカーの活用や体験活動の取組,いじめ防止基本計画に基づいた対策等を推進していきます。
また,児童生徒の健やかな成長のために授業や部活動,一校一運動,食育などの一層の充実に取り組むとともに,学校給食の無償化や部活動の大会出場等への助成も引き続き行ってまいります。あわせて,近年の災害や事故等の経験を踏まえ,危険予知,回避能力の育成など防災教育の充実にも努めてまいります。

二点目は「未来を切り開くための能力を伸ばし,社会で自立する力を育む教育の推進」です。
本村の児童生徒の学力は,昨年度の小学5年生,中学1・2年生を対象とした鹿児島学習定着度調査の結果においては,概ね県平均以上を達成している状況であります。ただし,中学校では全教科県平均以上であったのに対し,小学校では県平均に達していない教科がありました。また,児童生徒により個人差があることや,思考力・判断力・表現力等の向上の課題もあります。
その解決を目指すために,村教育研究会による各種教職員研修会や校内研修会の充実及び個人に応じた指導や複式・少人数指導,GIGAスクール構想による「児童生徒一人,1台端末」整備による情報活用能力などの向上を図ってまいります。
また特別支援教育支援員による支援,村雇用のALT活用による外国語教育の充実,合同宿泊学習や集合学習,職場体験学習などの実施,今夏の登録を目指す「奄美の世界自然遺産」に関する郷土教育の充実にも取り組んでまいります。
令和2年度は,コロナ感染症の予防対策として,本村の学校においても4月21日から5月7日まで休校措置を取りました。今後も,このような事態が長期で発生した場合に児童生徒の学習に遅れが出ないようICTなどを活用した対策などを講じるよう努めてまいります。

三点目は「信頼され,地域とともにある学校づくりの推進」です。
各校区の文化的拠点の役割を持った学校における教育は,児童生徒,教師,保護者,地域住民の相互の信頼関係の上に成り立つものであります。
そこで,地域に根差し,地域とともにある学校経営の充実を図るため,学校評議員などによる外部評価を生かした学校経営の改善に努めるとともに,土曜授業の充実,郷土の教材や人材を活用した教育活動の充実,学校情報の積極的な発信,教育公務員としての職責感や使命感,指導力のある教職員の育成,地域と一体となった安心・安全な学校づくり,学校と保護者,地域などとの連携の充実に取り組んでいきます。
さらに,学校における教員の働き方改革を,国や県の動向等を念頭に置きながら,本村の教育環境整備に努めてまいります。
あわせて,施設設備の点検補修や学校緑化に努めるとともに,児童生徒減少対策については,これまで同様,名柄校区・阿室校区活性化対策委員会の方々と連携を密にしながら親子山村留学制度を継続して推進していきます。
さらに,田検小中学校の共同調理場の改築計画及び小中併設校の給食運営の在り方については,保護者や校区住民,議員の皆様の意向などを受け,現状では各校区の調理場施設で運営を行いながら,村診療所建設後に小中併設校の給食運営のあり方や田検小中学校の共同調理場の改築を実施する予定にしております。

つぎに,社会教育と社会体育についてですが,令和2年度はコロナ感染症予防対策として社会教育関係の行事や村民体育大会をはじめとする社会体育の行事も開催中止となりました。
令和3年度においては,コロナ感染症の終息を願いながら「結の心でいきいきと学ぶ活力ある宇検村民の育成」を目標として,次の二点に取り組んでまいります。

一点目は「地域全体で子供を守り育てる環境づくりの推進」です。
本村において,子供たちは地域の宝として周囲の方々から温かく見守られ,すくすくと成長しております。今後とも家庭教育や家庭教育学級の充実,PTA活動や子ども会,社会教育関係団体の活動等の充実を図り,子育ての機運醸成に努めていきます。さらに,村民が継続的に学ぶことのできる公民館講座や生涯学習機会の拡充や生涯学習センターなど各種施設の利用促進を図ってまいります。
また,児童生徒の健全育成事業については,七ヶ宿町との児童相互交流事業を令和2年度はコロナ禍で中止しており,今年度は2学年合同の開催を予定しております。その他の事業では中学三年生テーブルマナー教室や茶道教室・新春書初め会・やけうちっ子体験チャレンジスクールについても引き続き実施してまいります。

二点目は「生涯を通して学び,活躍できる環境づくりとスポーツ・文化の振興の推進」です。
生涯スポーツを通した健康づくりと仲間づくりを推進するため,村体育協会を中心とした推進体制の整備を促進し,各種スポーツ大会運営の改善工夫やスポーツ少年団の健全育成,毎週月曜日夜間の体育館無料開放も継続してまいります。
また,スポーツ推進委員や関係団体などへの研修会の実施や村内の社会体育施設の定期点検を確実に実施し,事故防止に努めながら効果的な活用を進めてまいります。
令和3年度には県民体育大会大島地区大会の女子バレーボール競技が本村で開催されます。開催にあたっては,関係団体と連携を図りながら安全かつ効率的な運営に努めてまいります。あわせて,高校生・大学生などのスポーツ合宿誘致についても,引き続き推進してまいります。

続いて,「地域文化および芸術活動の振興」については,令和2年度末には,文化財保護審議会会長としての長年の功績が認められ中條森雄氏が(全国で個人の表彰74名,県下で2名)地域文化功労者表彰を受賞されるという喜ばしい出来事もございました。
令和3年度においても,文化協会や公民館講座講師の先生方と連携を図りながら,文化芸術活動の普及・振興に努めてまいります。また,村誌編纂に関しても自然編・通史編に続き,令和3年度以降は,民俗編の発刊を目指し取り組んでまいります。

むすびに

以上,令和3年度の村政運営に対する所信と施策について概要を申し述べましたが,本年度の予算は,一般会計予算が31億2千9百75万3千円で前年対比で1.7%の増額予算となっております。
次に特別会計予算は,7会計で9億6千8百99万1千円で前年度対比で4.5%の減額予算となっております。特別会計については,独立採算制のもと運営を行っていかなければならない所ですが,村民のサービスを低下させないことを念頭に,事業の必要性や優先順位を検討しながら慎重に予算編成に努めたところです。

村政運営については,これからも村に住み続けたい,行ってみたいと言われる宇検村を目指し,誠心誠意,村政運営に取り組んで参る所存でありますので,議会議員並びに村民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

村民の皆様,心を一つに笑顔あふれる宇検村を築いていきましょう。

結びに,村民の皆様のご健勝ご多幸をお祈りし,またコロナ禍の一日も早い収束を願うとともに,医療従事関係者への感謝とエールを送り,令和3年度の施政方針といたします。

令和3年3月5日
宇検村長元山公知

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894-3392 鹿児島県大島郡宇検村湯湾915

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