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更新日:2024年4月15日

令和6年度施政方針

はじめに

令和6年,第1回宇検村議会定例会の開会にあたり,村政運営に関する私の基本姿勢と,所信の一端を申し上げ,村議会議員並びに村民の皆様に,ご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まず初めに,今年1月1日夕方発生しました,能登半島を中心とする地震と,1月2日には日本航空機・海上保安庁機衝突事故が発生し,日本中が緊張と悲しみに包まれました。犠牲になられました被災者の皆さんに,心からお悔やみと見舞い申し上げ,1日も早い復旧・復興を切に願っております。
また,昨年6月に発生した,線状降水帯による大雨で,県道等の土砂崩れが発生し,道路が寸断され一時6集落が,孤立状態となりました。幸いにも人的被害がなく,村民の皆様をはじめ関係機関の連携協力のもと,早期に孤立集落の解消,停電の解消ができましたことに,改めて感謝申し上げます。
引き続き復旧に向けて,全力で取り組んでまいります。
さて,昨年1月に,2期目の村政をスタートさせ,これまで,所管の業務や災害対応等を通して,職責の重さを日々感じながら,村民の生命,財産,安全・安心な生活を守るため,職員と共に村政運営に取り組んでまいりました。
「さらに元気な村づくり」を基本理念に,「宇検村(シマ)らしさ全開!」を掲げ,「稼げる産業の振興」,「快適な生活環境」,「健やかな暮らし」,「広がるつながり」,「心豊かな人づくり」を柱として,村議会議員並びに村民の皆様の,ご理解をいただきながら,村民の声に耳を傾け,透明性がありスピード感のある村政運営を行い,村政の発展に向け全力で邁進することを,改めてお誓い申し上げます。
今年度の施政方針も,私が公約した五つの柱と,第6次宇検村総合振興計画の,基本構想に掲げた六つの基本方針を軸に,基本的な考え方を説明させていただきます。

基本方針1
「きらりと光る稼げる産業を育むむらづくり」

持続可能な農林業の振興

農業の振興につきましては,農業委員,農地利用最適化推進員,及び農地中間管理機構と連携し,農地の確保・集積化の加速,そして「元気の出る公社」による遊休農地の解消を行うことで農地の有効活用を推進いたします。
また,前年度に引き続き農業従事者の高齢化や,担い手減少の対策としまして,県農業大学で行われる就職説明会への参加をはじめ,県内で開催されます「就農・就業説明会」にブースを設け,関係機関からの情報収集を受け,新規就農者への支援や認定農業者の確保を目指し,農業の担い手育成にも積極的に取り組んでまいります。

また,たんかん・マンゴー・パッションフルーツにつきましても引き続き専門家を招聘し,農家に対し技術講習等を行う営農指導に努め,栽培技術の確立やブランド化に向けた技術的な支援。更にたんかんの委託選果手数料の助成,委託選果を利用した発送用ダンボール箱の配布や,ブランド確立協力金の助成を継続して行い,品質向上と生産拡大を図り,JA等との連携を図りながら販路拡大にも取り組んでまいります。
また,マンゴーとパッションフルーツにおいても,ブランド確立へ向けて,ふるさと納税の返礼品として出荷するものを対象に,発送用ダンボール箱を制作・配布し「うけんブランド確立」を図ってまいります。

カボチャ等の露地野菜については,災害に強い農業づくりのため,施設園芸を進める必要があることから,生産農家からの要望に対し,小型ハウス導入補助事業にて農家支援を行ってまいります。
また,国や県が奨励する化学農薬や化学肥料の使用量減が目標に掲げられていることに加えて,資材等の物価高騰の影響を極力抑え,安定的な農家経営を維持するための経費負担の軽減を図ってまいります。
引き続き営農指導員等による,減農薬栽培農家「エコファーマー」の育成や認定農業者の支援を図り,生産安定に向けた取組みの推進として生産者への苗木供給と購入の助成を行ってまいります。
併せて,生勝生産組合育苗ハウスにおいて,季節ごとの野菜苗などの栽培・販売を行い,「ケンムンの館」への出荷・販売体制の見直しや充実を図り,高齢者の生きがいづくりとして「活かそうむらの宝・ビジネス応援事業」による活動で,生産する作物の選定・加工・販売の支援にも取り組んでまいります。

サトウキビ振興については,機械の導入による植え付けから収穫までを機械化し,農家の労力軽減を図りつつ生産奨励金等の助成を引き続き行い,昨年特に農家から相談のあったイノシシによる被害の対策として,鳥獣被害防止用資材購入の一部助成,及び鳥獣被害対策実施隊による被害軽減活動も,継続して行ってまいります。

また、昨年度村の新たな特産作物の産地化に向け,芦検地区の栽培実証ほ場にて秋まきそばの実証を行いましたが,令和5年12月には収穫を終え,155kgを収穫いたしました。
今回の実証では,栽培期間の短い秋まき品種を選定し,過去の統計から台風を回避,年内収穫に向けた現地適応性を確認し,良好な結果を得ることができました。
引き続き,2月中旬に西南暖地に適した,育成品種で春まき栽培を行い,5月収穫に向けた実証と現地に適した作式,品種選定を関係機関との情報共有を図りながら,今後も,そばの生産拡大と長期間の安定供給の可能性について,引き続き実証調査を行い,栽培面積の拡大に対応できる設備や機械の導入等を,整えたいと考えております。

畜産振興につきましても,農家の経営の安定化を図るため,飼養管理技術や受胎率の向上,防疫体制を徹底し子牛・採卵鶏の品質や生産向上及び労力軽減を図り,巡回指導や研修会を行ってまいります。

農地防災関連としましては,前年度に引き続き,緊急浚渫推進事業債を活用し湯湾干拓潮遊地内の蓄積土を除去し,湯湾干拓地内にある遊水地等の貯水能力の確保を図り,機能の回復を行ってまいります。

林業の振興につきましては,森林の持つ多面的機能を発揮させる森林再生事業を推進するとともに,世界自然遺産登録後の,環境に配慮した伐採・森林整備・緑化の推進を行い,森林環境保全並びに森林資源の管理に努めてまいります。

焼内の海で輝く活力ある水産業の振興

やけうち湾の資源を生かした,持続的な水産業の振興につきましては,漁業者の経営安定を図るため,水産物の掘り起こしや,地域資源の価値や魅力を活かした海産物の推進など,浜の活性化に取り組んでまいります。また,各事業者・村漁協など関係機関と連携し,漁場の環境整備・漁業従事者の確保・定着に努め,安定的な経営ができるよう協力してまいります。

さらに,昨年度に引き続き,農林水産物等輸送コスト支援事業や離島漁業再生支援事業,サンゴ礁保全対策事業を活用し,村内水産物の当該出荷に係る輸送費の補助,漁場の生産力向上を図るための取組,やけうち湾内でのオニヒトデ駆除及びサンゴ礁モニタリングを行ってまいります。

地域の連携が育む商工業の振興

商工業の振興につきましては,村内商店の経営者の高齢化や後継者不足により厳しい状況にあると思われます。
今後も,村商工会主導のもと村内での購買促進を促すための経営指導や地元優先の買物を推奨し,経営の合理化などの指導,助言を実施してまいります。
「やけうちどんと券」についても,継続してまいりますが,6年度は年間通して使用できる商品券として発行いたします。新たな取り組みでありますので丁寧に周知し,これまで以上に幅広い層に購入してもらえるよう,工夫し取り組んでまいります。

また,農林水産物等輸送コスト支援事業については,県本土との流通条件不利性を改善し,生産・産業振興の推進を図るため,奄美群島振興交付金を活用し,農林水産物や加工品(黒糖焼酎等)の輸送費補助を継続してまいります。

村内の事業所の働き手不足の実情をくみ取り,安定した雇用環境を整備し人材を確保するため,令和6年度中の特定地域づくり事業協同組合の設立を目指してまいります。
特定地域づくり事業協同組合の,仕組みや必要性については,随時村内の事業所への説明を行っており,繁忙期の人材確保や,担い手の確保が可能となる協同組合へ,複数の事業者が,加入を希望しております。
今後は,組合の運営の要となる事務局職員や,事務局スペースの確保などを選定し,村内外から派遣職員を希望する方を募り,特定地域づくり事業を年度内に,開始できればと考えております。
キャッシュレス決済の利用者にとって,現金対応のみの店舗が多い宇検村を,不便に感じる消費者が多くいる現状を踏まえ,キャッシュレス化に向けての検証を,令和6年度に行ってまいります。
キャッシュレス決済サービスを導入するには,当然コストもかかり,決済手数料を支払う必要があるため,店舗側の大きな負担となります。村内や,拡大する村外・観光客の消費者の利用頻度や,キャッシュレスによる効果など,ケンムンの館で実績を検証分析し、村内のキャッシュレス化の推進に繋げてまいります。

宇検村の自然と歴史を伝える観光振興

令和5年度から,風光明媚な景観や焼内湾,枝手久島など,地域の特性を活かした取り組みを進めるため,「里海づくりプロジェクト」と位置づけ,焼内湾の調査や,集落,村民,事業者への聞き取り調査等を行っています。令和6年度は,「里海づくりプロジェクト」を更に展開し,里海づくりから生まれた,集落ならではの商品開発や集落体験,ツアーの造成に取り組んでまいります。
世界自然遺産・環境文化のシマならではの,人と自然とが共生する海のモデルづくりと,令和5年3月に策定した宇検村観光基本計画に基づく,地域振興のモデルづくりを2本の柱としております。

観光は地域経済活性化の一つですが,オーバーツーリズムなど,社会的課題をもたらす可能性もあることから,地域住民の意思を尊重した運用を目指し,海域の自然環境保全・回復と,地域経済活性化,コミュニティ・文化の継承を実現できる,持続可能な観光に取り組んでまいります。

また,令和5年7月に発足しました,宇検村観光物産協会を中心に,業界,業種の枠を超え,連携を図りながら,地域づくり観光の事業が展開できるよう,協会の活動をサポートし,更なる充実を図ってまいります。

基本方針2
「快適な生活を支えるむらづくり」

合理的な土地利用の推進

今年度の地籍調査箇所につきましては,前年度に引き続き芦検地区の調査を進めてまいります。調査を推進することにより,個人財産の適正な管理・公共事業の推進や,災害時の所有者判明に役立つよう,早急に事業推進を図ってまいります。
また,前年度に引き続き国が推進したリモートセンシングによる航空レーザー測量の継続調査を実施し,地籍調査事業の進捗率の向上を図ってまいります。

交流を促進する交通基盤の整備

国の,第5次5カ年計画(令和3年度から令和7年度)では,「防災・減災が主流となる社会の実現」,「持続可能なインフラメンテナンス」,「持続可能で暮らしやすい地域社会の実現」等の重点目標を掲げ,加速化するインフラの老朽化に対応するため,整備・維持管理・利活用の各段階において,創意工夫を凝らした取組を実施すると位置付けております。
本村も地理的条件を踏まえながら,危険箇所の解消やインフラの長寿命化を図るため,地域の実情に即した整備に努めてまいります。
まず,県,道路整備については,利便性の向上及び災害に強い道づくりを目指し,県道曽津高崎線の平田工区の改良事業を継続してまいります。
今後も,佐念集落からタエン浜間の道路改良工事,また,阿室集落から屋鈍集落間の災害時における孤立集落を発生させないよう,整備を行う予定であります。

湯湾新村線の赤土山工区につきましては,世界自然遺産登録区域であるため,周辺環境への配慮・事業費が莫大になることと,事業の長期化が課題となっていますが,奄美大島南部地域の活性化と地域住民の安心・安全の確保及び希少動物保護の観点からも,新たなルート(トンネル化)の検討も含めた,自然環境における生態系への配慮と,生活基盤道路としての位置付けに即した,早期の調査並びに計画策定に取組んでいただくことを,県及び関係機関に継続して要望をしてまいります。

村道整備につきましては,市町村間の観光振興と,災害時の迂回路としての機能も図れるよう,国庫補助事業で,宇検船越線・屋鈍曽津高崎線の改良工事を継続して整備してまいります。
また,老朽化した施設の長寿命化を図るため,赤土山線・田検名音線の舗装,及び安全施設等の維持補修工事,並びに橋梁点検結果から修繕,更新,または撤去を検討し,計画的に整備してまいります。

村単道路整備につきましては,安全確保を図るため,劣化し目視ししづらい,区画線の補修工事,避難時等の危険箇所排除のために,芦検今里線の路肩補修工事や,台風・高潮等潮位異常時の冠水対策として,湯湾村内川田線・名柄集落内道路の対策工事を実施してまいります。

港湾整備につきましては,継続して,湯湾港(須古地区)の老朽化した岸壁補修工事を行い,機能回復を図り,長寿命化につなげてまいります。

漁港整備につきましては,未指定漁港(生勝・屋鈍)等の施設老朽化箇所の修繕工を計画的に実施してまいります。
また,宇検漁港は,補助事業により,海岸保全施設の長寿命化計画に基づいた老朽化対策工事を行い,事前に予防保全を図りながら,施設の機能回復整備を行ってまいります。

河川事業につきましては,引続き河川浚渫工事を実施します。今年度は,平田地区山田川,部連地区川田川,名柄地区名柄川・名柄中川の浚渫工事を計画してまいります。
また,河川改修事業では,自然災害時の被害発生の軽減のため,屋鈍川排水対策工事・名柄川護岸嵩上げ工事・大畑河川管理道路舗装工事を計画してまいります。

公共機関の維持と利便性の向上

高校生通学バス助成金につきましては,定住,U・Iターンの促進及び地域公共交通機関利用の促進を図るため,通学バス利用料及び帰省時等の,バス利用料の助成を引続き実施してまいります。
また,保護者・利用者の負担軽減を図るために,事前に定期券を購入する方法だけではなく,スマートフォンアプリを利用した定期券の購入も併せて推奨していきます。

利便性を高める情報通信技術の活用

コロナ禍を契機に,社会全体のデジタル化が加速していますが,デジタル社会への移行は住民生活の快適さを伴うことが必須でありますので,6年度から高齢者等住民のデジタル活用への不安を解消するため,スマートフォン教室を各集落で定期的に,継続して開催してまいります。
そのうえで,都市部など先進地のデジタル機器やシステムを参考にしながらも,利用頻度や費用対効果を精査して,地域に合った機器やシステムを導入し,住民サービスの向上に努めてまいります。

令和5年度からDX部署を設け,職員の業務のスマート化から取り組んでいます。電子契約,電子決裁,WEB勤怠システムなど,引き続きスマート化を進め,職員間の情報共有による効果が,住民サービスの向上につながるよう努めてまいります。
携帯電話不感地域の,湯湾大畑から赤土山公園については,令和6年度の「携帯電話エリア整備事業」で,光回線と鉄塔を整備し,電波不感の解消に努めてまいります。

快適な生活をつくる住環境の整備

令和5年度は,定住促進空き家活用事業を導入し,3件の空き家改築を行っております。村内にある空き家の状況は様々ですが,活用が可能と判断される物件を対象に整備を行い,今後も住居不足の解消,定住の促進を計画的に継続的に行ってまいります。また,廃屋と判断される物件に対しましては,宇検村危険廃屋解体撤去補助事業により,解体撤去を促し,防災・衛生・景観など周辺環境に悪影響を及ばさないよう努めてまいります。

また,Iターン,Uターンなどの移住希望者に対しての住宅不足は,空き家改築事業だけでは追い付かず,村の財政負担の軽減も加味しながら進める上で,PFI法による公民連携事業の導入も検討しながら,住居不足の状況を打開する施策を講じてまいります。

公営住宅の整備につきましては,交付金事業の基本となる長寿命化計画に即して,修繕・改善工事を計画的に実施し住環境の向上機能を強化してまいります。
本年度は,芦検5号団地を整備いたします。

良質で衛生的な生活環境づくり

簡易水道事業につきましては,前年度に引き続き,湯湾地区の本管布設工事及び湯湾・須古・石良地内の宅内引込み工事と,新たに生勝地区の本管引込工事及び宅内引込工事と,芦検配水池内の機器設備の更新を行い,安全で安心な生活用水の供給に努めてまいります。

ゴミ処理につきましては,循環型社会の構築を目指し,ごみの減量・リサイクル化を推進するために,ごみの排出抑制,分別,再利用の効果や,適切な出し方等について普及啓発に取り組んでまいります。また,併せて,家庭用ごみ処理機購入補助を引き続き実施し,即効性のあるゴミの減量・リサイクル化の推進を図ってまいります。

合併浄化槽設置の推進につきましては,家庭から排出される,し尿及び生活雑排水による公共用水域の水質汚濁を防止するため,国・県の補助事業も活用して,合併浄化槽の設置及び単独処理浄化槽からの置換の促進に取り組んでまいります。

集落排水事業につきましては,令和6年度から公営企業法会計の適用がスタートし,各事業の財政状況及び経営成績の正確な把握を行い,安定的な事業運営に取り組んでまいります。
農業集落排水の機能更新事業につきましても,前年度に引き続き順次整備しておりますが,本年度も芦検地区の機械設備及び電気設備等の更新を実施し,また,維持管理適正化計画に結果に基づき,宇検中央地区と田検地区の統廃合に向けた実施設計を行います。

漁業集落排水につきましても,平成12年の供用開始から20数年が経過し,処理施設の老朽化による維持管理費の増加も課題となっているため,更新事業の令和7年度採択に向けて国及び県と協議を進めていきたいと考えております。

安心・安全な地域社会づくり

自然災害時の被害発生を軽減するため,河川護岸等の整備も柔軟に対応したいと考えております。
村内県道の維持管理につきましては,権限移譲交付金で除草,路傍樹管理を実施してまいります。

村道,林道,農道につきましては,元気の出る公社と民間事業者に委託し,計画的に適正な維持管理作業を実施してまいります。

県営事業の砂防事業で,芦検脇田川,久志川,湯湾川,名柄川を継続事業で整備し,新規に,地滑り対策事業で湯湾地区を計画しています。
急傾斜地崩壊対策事業では,湯湾下朝戸地区,芦検池城地区,久志1地区を継続事業で整備してまいります。

地域防災力の強化
村民が安心して暮らせる村づくりは,最も重要な施策の基本とするものであり,自助・共助の意識向上を図るための,自主防災組織の充実と活動への支援として,研修機会や防災備蓄品などの公助に努め,連携して地域防災力の強化を図ってまいります。

また,今年1月の能登半島地震により,住民の災害への備えや防災意識が,これまでになく高まっております。

台風大雨だけでなく,大規模災害も想定し村外市町村の支援を受け入れる,受援体制の計画も整えてまいります。
防災訓練については,毎年行っている台風大雨災害の想定に加え,地震津波想定の訓練も行ってまいります。訓練では,情報の共有と判断,決定,周知までのスムーズな流れに重点を置き,より多くの情報伝達機器を,有効活用してまいります。

令和6年度は,赤土山線の携帯電話不感地域解消にも,取り組んでまいります。

交通安全・防犯体制の充実
交通安全,防犯体制につきましては,村内を巡回する青色回転灯パトロール車両が9台と充実し,村内の危険箇所改善に貴重な意見が反映されております。
今後も,宇検村安心安全まちづくり推進協議会との連携を図ってまいります。
そのほか,災害対応,防災対策には消防職員,団員の統率のとれた体制が必須であり,今後も資質向上のための研修受講をより充実かつ積極的に行ってまいります。

基本方針3
「魅力あふれる「人と自然」が調和するむらづくり」

豊かな自然環境を次代につなぐ地域社会

ゴミの不法投棄対策につきましては,年間を通して村内の林道や主要道路沿いの山裾などのパトロールを行うことにより,不法投棄の抑制,景観や生活環境の保全,希少動植物の保護に努めてまいります。

海岸漂着物対策事業につきましては,引き続き国の補助を活用し,年間を通して焼内湾で海岸漂着ゴミの回収,処分を行い,海岸の景観・環境保全に努めてまいります。

野良猫TNR事業につきましては,今後も村内に生息する希少種を守るために,野良猫の減少を目的とした事業を推進してまいります。
飼い猫につきましては,適正飼養,動物愛護の意識の向上,自然環境及び生態系の保全を図ることを目的とした,不妊手術やマイクロチップ装着の助成を継続し,村内のノネコ・野良猫の発生源対策に努めてまいります。

平成26年から行っているメヒルギの植栽事業ですが,令和6年度は枝手久島の一画での植栽と,湯湾干拓調整池で自生している,メヒルギの移植を本格的に進めてまいります。
令和5年度に,宇検村と日本航空(JAL),上智大学,伊藤忠商事で締結した産学官連携協定の,人的・物的資源,各専門性を活かし,宇検村が目指すゼロカーボンシティや,環境保全・地域振興に取り組んでまいります。かつて村民が利用していた,枝手久島の土地を再度利用することにより,環境保全・回復,更には新たな環境の創出を推進すると共に,自然と人が共生する関係の構築及び新たな人流の創出も目指してまいります。

村の宝である人と自然が輝く交流

宇検村は,国際サシバサミットに加盟しています。毎年加盟国が持ち回りで開催される,この国際サシバサミットが,令和5年度台湾,令和6年度フィリピン,令和7年度は宇検村で開催予定となっています。村民を始め,奄美大島全域の機運醸成のため,観察会や講演会,写真展など積極的に行っております。
令和6年度は,サシバの繁殖地で国際サシバサミットに加盟している,栃木県市貝町で写真展を行います。越冬地である宇検村と,繁殖地の市貝町のサシバが繫ぐ交流促進と,関係人口の創出,令和7年度の国際サシバサミットの成功に向け,啓発活動やイベント,商品開発への取り組みを,強化してまいります。
サシバの飛来は,自然環境の良好さの指標となることから,越冬地である宇検村の価値や知名度を高める効果も意識し,サシバの保護や生息する自然環境の保全など,共有する自治体と広域的な取組も,進めてまいります。

また,令和6年11月に,第100回関東宇検村会が開催されます。同じ郷里に生まれ育った,竹馬の友・同窓生・先輩後輩が,シマを離れても変わらず,強い絆で繋がり,組織を結成し,脈々と築かれてきた歴史と伝統は,誇らしく,誠に喜ばしい事であります。
郷友会の,会員の高齢化や二世代・三世代への継承の課題などがある中,100周年のこの節目に,更なる郷友会の活性化と,二世代・三世代との交流促進に力を入れてまいります。100周年を迎える,関東宇検村会には多くの関係者が出席し,組織の強化に繋がるよう,関東宇検村会実行委員会と共同で取り組んでまいります。

宇検村に対しての,ふるさと納税は年々増加しており,返礼品として取り扱う地場産業の振興にも,大きく寄与しております。
今年度は,村内でのアクティビティや集落体験,宿泊などを返礼品として商品化し,実際に宇検村に訪れるきっかけづくり,繋がり続ける仕組みづくりを行い,地域発展及び地域づくりの応援者としての,関係人口の広がりを更に伸ばしてまいります。
宇検村らしさを発揮しながら,今後も,時代やニーズにあった,革新的なサービス・体験・特産品の商品化に取り組んでまいります。

これまで,地域おこし協力隊(シマっちゅ見習い隊)として9名の隊員が活動しております。都市部の人材を呼び込み,村内で活動し定住を図るこの制度を,今後も積極的に活用し隊員の増員を目指します。
令和6年度は,「地域おこし協力隊員募集」と,「おためし協力隊」に関する活動を新規に行い,宇検村出身者の二世代・三世代や,進学・就職のため,村外に転出した若年層にも広く呼びかけ,Iターン・Uターンの施策に絡め,取り組んでまいります。

共生・協働で魅力ある地域社会づくり

村民参画の推進については,これまで地域共生事業の推進や自主防災組織の体制づくり,コロナ禍における事業など村民が主体的に取り組む活動を推進してまいりました。

また宇検村に所属する,地域おこし協力隊の活動では,おばあ・おじいの「人生が輝く」職場づくり活動を試験的に導入しています。ふるさと納税制度を活用し輝ける,仕事・場所を作り出すこの取り組みは,村内外から反響を呼んでおります。
このように,村民参画の場所は多種多様であり,個々に事情が違うため住民一人一人の想いと行動が,むらづくりに十分に生かされるよう,推進体制を整えていきたいと考えております。
令和5年度に策定された,男女共同参画推進総合計画に基づき,誰もが生き生きと暮らすことができ,子どもたちが夢と希望を実現できる,地域づくりに努めてまいります。今年度は,村内小中学校へ専門の講師を派遣し,学び合い事業を展開いたします。子どもたちの,人権・ジェンダー平等意識と,自己肯定感を高めるとともに,人権・ジェンダー平等の理解と,その意識の根付いた地域づくりを,促進してまいります。

宇検村内で,外国人労働者を確保する事業者が年々増加している現状をふまえ,多文化共生社会の実現に向け,取り組んでまいります。外国人住民が,村内で安心して仕事と生活ができるよう,日本語講習会等を実施し,平等な社会参画や情報が提供できる,環境づくりに努めてまいります。

基本方針4
「健やかでぬくもりのある支えあいのむらづくり」

みんなで支えあう地域福祉の充実

村民が互いに支えあいながら,安心して暮らすことができる地域共生社会を実現するため,意識啓発や支援体制の構築を推進し,多様な福祉活動の担い手が地域福祉に参加しやすい環境を整え,地域が一体となった,福祉の充実に努めてまいります。

介護保険事業につきましては,令和5年度に見直しを行った「第9期介護保険事業計画」を基に,宇検村に住む人々が,心身ともに健康で,生きがいや楽しみのある生活を送り,介護が必要になっても,一人ひとりが尊厳を持ちながら,生き生きと住み続けられる村づくりを継承し,地域共生社会の実現に向けた地域包括システムの進化・推進を図ってまいります。

健康で安心して暮らせる予防・医療の充実

国内で,新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてから5年目となります。昨年5月に,感染症法上の位置づけが,「2類相当」から「5類」に変更されて以降,国は,患者や医療機関への公費での支援を縮小してきました。新型コロナワクチンの無料接種や,コロナ治療薬の一部負担,入院医療費の補助などを続けておりますが,令和5年度末の3月31日までが期限となっております。
新型コロナ感染症が,季節性インフルエンザなどの,一般的感染症と同様の取り扱いとなる中,今後も感染対策,後遺症への対策をどのように進めていくか課題がありますが,国や県と連動し,対策をしっかりと講じ,村民の安心と安全が図られるよう,取り組んでまいります。

保健事業につきましては,宇検村健康増進計画「第2期いきいき健康うけん21」,「国保データヘルス計画」,「後期高齢者データヘルス計画」に則し,本村の健康課題であります,脳卒中を含む循環器疾患予防を推進してまいります。令和5年度に策定しました,「第2期いきいき健康うけん21」では,特定健診受診率・特定保健指導の実施率向上,生活習慣病の重症化予防,1人あたり医療費の抑制などを主な取り組み計画としております。
国保保健事業,高齢者の保健事業と,介護予防事業を一体的に実施し,村民が自ら健康づくりに取り組めるように支援し,健康寿命の延伸・QOL(生活の質)の向上を目指してまいります。

特定健診・長寿健診・各種がん検診受診率の向上,各種予防事業について,受診しやすい環境整備を行うとともに,特に,若年世代から健診受診・運動習慣の継続など,発症予防に力を入れて,取り組んでまいります。
国保施設事業につきましては,令和5年度より月に1度ではありますが,小児科の専門医の検診を実施しており,受診・相談を含め,12月末までに64件の受付をしております。令和6年度におきましても,小児科診療を継続し,保護者が安心して暮らせる,村づくりを目指してまいります。

また,診療所についてですが,令和4年度に設計を手掛け,令和5年度に建築工事を進めております。令和6年度への繰り越し事業となりますが,住民への健康・医療・介護サービスの向上に向けた,医療機能の強化と医療DXに対応したICTを活用した,医療情報連携を積極的に行えるプラットフォームとして,今年10月の完成予定であります。

未来を育む子育て支援の充実

児童福祉につきましては,令和6年度は,「子ども・子育て支援事業計画」の,見直しの年度となっており,「第2期宇検村子ども・子育て支援事業計画」での,「教育・保育ニーズ」や,「地域子ども・子育て支援事業」の,量的な見直しを行うとともに,保護者からのアンケートを基に,本村のニーズに合った計画書の策定に努めてまいります。
開設から3年が経ちました,放課後児童クラブも利用者は年々増えてきております。また,夏休み等の長期の休み期間には,小中学生バス無料乗車券を使用して児童クラブを利用している児童もおりますので,令和6年度におきましても,無料乗車券の交付を実施いたします。関係機関と協議を行い,より良い活動を充実できるよう,支援員の育成にも取り組んでまいります。

いきいきと暮らせる高齢者福祉の充実

高齢者福祉についてですが,住み慣れた地域で,いくつになっても安心していきいきと暮らせる,福祉の村づくりを進め,自分らしく暮らしながら,その能力に応じて社会を支えていく担い手として,活躍できる機会づくりに努めてまいります。
また,グループポイント事業等を利用し,高齢者が支え手となる活動への参加促進や,生涯学習等の視点を含めた高齢者の社会参加機会の確保,交流の場をつくり,高齢者の介護予防を促進いたします。

自分らしくを支える障がい者福祉の充実

令和5年度に,「宇検村障害者計画」,「宇検村第7期障害福祉計画」,「第3期宇検村障害児福祉計画」の策定を行いました。障害を理由とする差別の禁止,地域社会における共生等,障害者の自己決定の尊重及び意思決定の支援,当事者本位の総合的な支援,障害特性等に配慮した支援,アクセシビリティの向上,総合かつ計画的な取組の推進を基本的視点とし,本村に住む人々が,生涯心身ともに健康で,生きがいと楽しみのある生活を送り,一人ひとりが尊厳を持ちながら,いきいきと住み続けられる村づくりを推進し,障害のある方が住み慣れた地域で,地域との関りを持ちながら,自分らしく安心して暮らせる環境づくりに,努めてまいります。

自立に向けた社会保障の充実

生活困窮者への自立を支援するため,各種制度の適正な運用,周知を図り,各関係機関と連携を取り,困窮状態に至る前段階からの支援に努めてまいります。また,生活困窮者・世帯には,健康面での不調を抱えるケースも多いことことから,専門職による予防的な介入にも,努めてまいります。
自殺対策につきましては,宇検村自殺対策計画「暮らしやすい村づくり」に則し,国や県の関係機関と連携を取り,支援が必要と思われる方の,情報収集・提供に努め,地域が一体となり見守り合う,体制づくりに努めてまいります。

基本方針5
「ふるさとを愛し、未来へはばたく心豊かでたくましい人を育むむらづくり」

生きる力をはぐくむ学校教育の推進

令和6年度におきましては,昨年度末改訂されました「宇検村教育振興基本計画」に基づき,「ふるさとを愛し,未来(あす)へはばたく,心豊かでたくましい人づくり」を教育行政推進の基本目標とし,その推進については,「ふるさとの豊かな風土や教育的な伝統を生かし,ふるさとに立つ教育」を視点として,引き続き取り組んでまいります。
学校教育におきましては,「生きる力を備えた元気な宇検村の子どもの育成」を目標とし,村内の児童生徒それぞれに密着した学習指導や道徳教育,生徒指導,人権教育,読書活動等を推進するとともに,教育相談員・スクールソーシャルワーカーの活用や,いじめ防止基本計画に基づいた対策を推進してまいります。

また,児童生徒の健やかな成長のために授業や部活動,一校一運動の実践,食育など一層の充実を図り,学校給食の無償化及び各種大会出場への助成も引き続き継続してまいります。あわせて,防災・安全に関する指導の充実・危険予知・回避能力の育成・防災訓練等の実施・各教科における安全指導の充実にも努めてまいります。

なお,中学校の部活動につきましては,国の提言等を踏まえ,土曜・日曜の活動を地域へ移行する準備を,昨年に引き続き進めてまいります。

本村の児童生徒の学力は,今年度の4月に小学6年生,中学3年生を対象として実施された,全国学力・学習状況調査の結果において,実施教科である小学校の国語・算数,中学校の国語・数学・英語のすべてに関して,県平均を上回る状況でありました。しかしながら,児童生徒の学力の個人差や,学習意欲,自己調整力等の向上については,依然課題も見られます。
その課題解決のため,村教育研究会による教職員の研修会や,各学校における校内研修会等を実施し,複式・少人数クラスにおける個別最適な学習の充実を図ってまいります。
すでに整備されております「児童生徒一人1台のタブレット端末」の有効活用も図ってまいります。
併せて,令和6年度は小学校で使用される教科用図書の改訂に伴い,デジタル教科書を導入することで「主体的・対話的で深い学び」の更なる推進を図ってまいります。
また,日常の学校生活に困り感を持っている児童生徒に対する,特別支援教育支援員による支援,英語教育小学校専科指導教員及び英語指導助手(ALT)の活用による外国語教育の充実,「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を契機に開催しております,「やけうちっ子環境学習・世界自然遺産博士講座」も引き続き取り組んでまいります。

感染症等により,やむを得ず学校に登校できない児童生徒に学びの場を確保し,自宅学習など自主的に学習を促進するため,タブレット端末の持ち帰りも引き続き進めてまいります。

さらに,学校における教職員の働き方改革を推進するため,令和4年度に校務支援システムを導入いたしました。引き続き教職員の校務負担軽減を図ってまいります。
あわせて,施設の整備や点検補修,学校緑化に努めるとともに,児童生徒減少対策については,名柄校区・阿室校区活性化対策委員会と連携を図りながら,親子山村留学制度を継続して推進してまいります。
また,田検小中学校の共同調理場や各併設校の調理場の今後についてですが,「学校給食のあり方検討委員会」において,検討協議の結果,建設候補地の選定と,総合給食センター方式での整備を進めていく方向性を確認しておりますので,来年度より給食センター建設についても地質調査等をおこない,建設へ向けた準備を進めてまいります。

生涯学習推進体制の整備・充実

日頃から,宇検村を元気づけるために取組を積極的に活動しております,宇検村連合青年団についてですが,令和4年度から新たな取り組みとして,「地域食堂(子ども食堂)・マリンスポーツ体験・スマブラ大会」を開催し,令和5年度に関しましても,さらに新たな事業としまして,「グルメフェスや集落支援(豊年祭支援)」などにも,取り組んでおります。このような連合青年団の活動に対して,引き続き支援していきたいと考えております。

さらに,継続的な取り組みとしまして,今後の児童生徒の成長を見据え,家庭教育や家庭教育学級の充実,PTA活動や子ども会,社会教育関係団体の活動の充実を図り,子育ての機運醸成に努めてまいります。さらに,村民が継続的に学ぶことのできる公民館講座や図書室などの充実を図り,村民の利用促進を図ってまいります。

多様なニーズに応える社会教育の充実

次に社会教育と社会体育についてですが,「結のこころで生き生きと学ぶ活力ある宇検村民の育成」を目標として,令和6年度においては,主に次の事業等に取り組んでまいります。
まず,平成30年度から業務を休止しておりました,村誌「民俗編」の編纂業務につきまして,昨年度から再開し,令和9年度を完成の目標として取り組んでまいります。

また,児童生徒の健全育成事業につきましては,宮城県七ヶ宿町との相互交流事業において,12月に宇検村の生徒を派遣することができ,スキー体験を通じて七ヶ宿中生徒との交流を深めることができました。
引き続き継続して事業を実施してまいります。

また,沖縄県と宇検村の「平和交流事業」につきましても,令和4年度から近隣の瀬戸内町と大和村も加わり,児童生徒を対象に今年度で5回目の「平和交流事業」を実施することができました。悲惨な戦争のことを学びながらも,打ち解けた子供たちの笑顔に,改めて平和学習交流事業の大切さを感じました。
今後も,幅広い年代で平和交流の輪が広がるよう取り組んで行く考えであります。
その他の事業では,中学3年生のテーブルマナー教室や茶道教室・新春書初め会・やけうちっ子体験チャレンジスクールや,一般社団法人アスリートネットワーク「つなGO奄美大島」事業と連携したスポーツ教室の実施などについても引き続き実施してまいります。

つぎに,生涯スポーツを通した健康づくりと仲間づくりを推進するため,一つの懸案事項でありました村陸上競技場のタータンの老朽化による使用の安全性についてであります。

昨年度設置されました「宇検村社会体育施設及び運動公園の再整備検討委員会」の中で,宇検村陸上競技場再整備について協議・検討されました。検討の結果としましては,原状回復による再整備として報告がありましたので,村としましても検討した結果,6年度に宇検村陸上競技場大規模改修事業として再整備を行う計画をしております。
また,引き続き再整備検討委員会では,運動公園全体の再整備計画につきましても,今後協議を重ねていただき検討結果の報告をおこなっていただきたいと考えております。

健康づくりや仲間づくりを促進する生涯スポーツの推進

村体育協会を中心とした社会体育推進体制の整備を進め,来年度,本村で開催される県体大島地区大会グランドゴルフ競技と,大島地区スポーツ少年団バレーボール競技の大会の運営につきましては,各競技団体と連携を図りながら大会運営の準備を進めてまいります。
スポーツ少年団の健全育成,毎週月曜日夜間の体育館無料開放も継続してまいります。
さらに,スポーツ推進委員や関係団体などの協力を得ながら,村内の社会体育施設の点検を実施し,事故防止に努めながら効果的な活用を進めてまいります。
あわせて,高校生・大学生などのスポーツ合宿誘致についても引き続き推進してまいります。

次代につなぐ地域文化及び芸術活動の振興

続いて,「地域文化及び芸術活動の振興」につきましては,今後も文化協会や公民館講座の講師の先生方と連携を図りながら,文化芸術活動の普及・振興に努めてまいります。

文化財保護につきましても,今後も有形・無形文化財についての保存・継承を推進いたします。

宇検村振興育英基金につきましては,奨学金貸与事業を引き続き実施し,必要に応じて学校教育,社会教育,文化,体育事業への助成なども検討してまいります。

基本方針6
「村民とともに、力強い自治をつくるむらづくり」

行政の効率化

法改正や国の施策など,時代に対応した弾力的な行政運営を行っていくためには,業務の量や働き方など,職員の適切な配置が必要であり,会計年度任用職員制度の,積極的な運用が欠かせません。これまで,突発的な人員不足には,再募集放送から決定まで1ヶ月以上要しており,その間の住民サービスの低下が,否めませんでした。
今年度からは,登録制度を導入し,短期間で決定し住民サービスが滞らないように,取り組んでまいります。
また,定年延長により職員の年齢構成に偏りが生じないよう,適宜職員採用を実施し,年齢構成の平準化を進めてまいります。
令和5年度から,DX部署を設け職員の業務のスマート化から取り組んでおります。6年度から,会議システムや電子決済によるペーパーレス化で,庁内のスピーディーな事務処理を目指してまいります。
住民の声,要望に応えるだけでなく,行政需要を的確にとらえるために,積極的に村民とのコミュニケーションを,図ってまいります。そのうえで,政策立案から予算化まで総合的に行動できる職員として,資質向上を図るため外部機関とも連携した,職員研修を実施してまいります。

財政の健全化

財政につきましては,国の経済活動は社会の賃金上昇の動きと経済活動の正常化への期待から,全体として景気は回復上昇傾向にあるものと,捉えております。
村としましても,昨年を上回る予算編成となっていますが,財源に補助事業,有利な起債,ふるさと納税制度などを積極的に導入し,国の予算動向を注視しながら,地方交付税を適正に見込んで,財政調整基金で補い予算編成を行っております。今後も,事業の優先順位をしっかり検討し,各分野で連携を図り,計画的に予算執行するよう努めてまいります。
一般会計では,主に新規に携帯電話エリア整備事業,関東宇検村会100周年記念事業,陸上競技場タータン更新事業,湯湾干拓浚渫工事に係る予算や,元気の出る公社運営管理費,土砂処分場測量設計業務の増額などを特徴とした,予算となっており総額で対前年比,6億6千万円増の約40億円台で20%の増額予算となっております。
特別会計の簡易水道事業,農業集落排水事業,漁業集落排水事業につきましては,令和6年度から公営企業会計となりますので,より一層経営の「見える化」に努め,サービス向上に努めてまいります。
国保事業,国保施設事業,介護保険事業,後期高齢者医療事業4会計の総額は7億887万円で,前年度対比24%の増額予算になっております。
これまでと同様,財政安全健全化を進めていきくことは当然のことですが,目的財源としての基金の適時使用など,村民に必要な予算は積極的に活用するとともに,自主財源の確保に努めてまいります。
今後の建設予定事業としましては,防災会館の順次改修及び建て替え,給食センター建設,及び役場庁舎建設等があります。建設にあたっては,将来的に財政を圧迫することがないよう,見極めながら事業を進めてまいります。

むすびに

以上,令和6年度の,村政運営に対する所信と施策について概要を申し述べましたが,村政運営につきましては,これからも村に住み続けたい,行ってみたいといわれる,村民の誇れる宇検村を目指し「宇検村(シマ)らしさ全開!」を合言葉に,職員一丸となって取り組んでまいりますので,議会議員並びに村民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げ,令和6年度の施政方針といたします。
村民の皆様,心をひとつに,笑顔あふれる宇検村を築いていきましょう。
令和6年3月5日
宇検村長元山公知

お問い合わせ

総務課行政係

894-3392 鹿児島県大島郡宇検村湯湾915

電話番号:0997-67-2211

ファックス:0997-67-2912

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